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未知の身体シリーズ➄皮膚と「意識」

リキュア銀座スタッフの長谷川でございます。

最近、AIの進歩が人間の思っている以上に加速度的に早まっておりますね。

メジャーなところではイーロン・マスクが立ち上げた会社のニューラリンクで、脳チップ埋めこみ試験で遠隔で何かをさせたりとかといったニュースが話題となっておりますが、

いずれは人間の脳の記憶データをダウンロードし、ロボットやクローン人間に移したりとか

という映画みたいな話が現実になってくるんでしょうか?!

そのうち学校の授業も脳に直接データダウンロードなんて事が当たり前になってくるかもしれませんね(^_^;)

またそれと連動する話として、AIが人間の脳に近づいていくことで心や魂、人間の意識とはなんぞやという根源的な問いにもスポットが当たっております。

人間という生物を単に物質的な電気信号のやり取りをして動いているロボットとして捉え、新しい科学技術を用い、人間の身体と認知能力を進化、拡張させ超人類に発展させていこうという思想をトランスヒューマニズムといいます。

昔、「銀河鉄道999」というマンガで主人公の鉄郎が機械の身体をもらいに行くんだ!と息まいて機械帝国にたどり着いたが、人間の心を失った機械化人に幻滅し考え直すというストーリーがありましたが、ざっくりいうとあんな世界を実現しようとしている勢力もあるということですね。

それが人類にとって幸せなのかどうかは別として色々な問題が起きそうな気はしますね~。

お金持ちには良いパーツで寿命も長く、身体が老朽化したら新しい身体にとっかえ。持たざるものは高いパーツは買えず生身に近い結果、寿命も短く。

現代以上に2極化、持つものと持たざる者との寿命がかなり違ってくる。

生きている世界観や認識もまるで違うみたいなイメージでしょうか?!。

ということで今回は皮膚の不思議最終回、「皮膚と意識」についてお伝えしていこうかと思います。

脳の伝達にかかる時間

意識に関して面白い実験があります。

カルフォルニア大学サンフランシスコ校で研究をされていた生理学者のベンジャミン・リベット博士はある情報がどの位の時間で脳に届くか、脳の指令から行動までどの位かかるかという実験をしました。

被験者に実際より速く針が動く時計を見せながら、いつでも思い立った時に手首を曲げて下さい、と指示し、手首を曲げようと思った時の時刻を覚えておいて、後で教えて下さいというものです。

結果は意外なもので被験者が「手首を曲げよう」と思った時刻より0.35秒早く、脳の電気状態に変化があったのです。そして「手首を曲げよう」と思った時刻から0.2秒後、実際に手首が曲げられました。

つまり行動しよう、と意識する0.35秒前、行動の0.55秒前に脳は活動を始めていた、ということになります。

リベット博士の実験

一方で皮膚に刺激を与えて、「いつ刺激を感じましたか?」という問に関しては、刺激からわずか0.02秒後に「感じた」という答えが得られました。

皮膚からの刺激は早く反応するということでしょうか?!

皮膚等が刺激された場合、それを「知覚」する、つまり意識するのは大脳表面の皮質と呼ばれる部分です

大脳皮質

リベット博士はさらなる実験をします。今度は知り合いの脳外科医、ベルトラン・ファインスタイン博士に協力してもらい脳手術を受けるため、脳がむき出しにされた患者を使って実験を行いました。

皮膚触覚を知覚する大脳の 表面(皮質)に電気刺激を与えたところ

患者は刺激が0・5秒以上続かないと「何も感じない」と答えたのです。

つまり大脳皮質は 0.5秒以上刺激されないと「知覚」できないのです。

ここで矛盾が生じます。実際の皮膚が刺激され たときは、それが短い時間であっても0・02秒という 短い時間をおいて「知覚」されました。しかし大脳皮質 を刺激した場合には、刺激は0.5秒以上続かないと 「知覚」されないのです。

以下著作からの引用になります。

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皮膚への刺激は脊髄を通って視床という大脳の下にあ る、いわば全身からの情報をまとめる場所に送られ、そこから、皮膚刺激なら、大脳皮質で皮膚感覚を担う箇所に送られます。大脳皮質で皮膚感覚に対応する場所は 0.5秒以上刺激しないと「知覚」できないし、「手首を曲げよう」という意思の0・35秒前に脳は活動を始めていなければならない。

そういう 「長考する(?)」 皮質ではなく、情報収集センターというべき視床に皮膚への刺激が届く と、被験者は0・02秒後に「刺激を受けた」と感じたのです。これは皮膚を刺激した際に 「刺激を受けた」と感じるまでにかかった時間と同じです。おそらく皮膚への刺激は、何かが身体に接触する刺激であり、それが危険なものであれば、直ちに対処しなければならな いものなので、例外的に早く意識化されるのでしょう。

リベット博士の一連の研究から、一般的に「意識」は0.5秒という、神経活動にしては ずいぶん長い時間、大脳皮質が刺激されないと作られないものであることがわかります。そ んな意識にだけ頼っていては、自動車の運転も歩行も危険でしようがない。時速60キロメー トルで走る自動車のドライバーが危険を感じて止まろうと思うのに0.5秒費やしたら、そ の間に車は8メートル以上進んでしまいます。歩いている最中、つまずきそうになって、 0.5秒の間、何もしなければ、確実に転びます。自動車の運転、歩行などの際には情報を意識化せず、いわば無意識に動作を行っていると考えたほうが理にかなっています。

皮膚感覚情報のほとんどが無意識に作用する

リベット博士は「意識」はむしろ人間の行動の邪魔になる場合が多い、と考えています。 たとえばピアニストが、自分が演奏していることを「考える」と演奏がぎごちなくなる。表 現が無意識に湧き起こったときに、心のこもった、崇高な感情を込めてなめらかに表現され た音楽が生まれる、と主張しています。

あるいはテニスや野球の偉大な選手たちは、意識に妨げられることなく、無意識の心に主導権を委ねることができる人たちである。テニスや野球では、飛んできた球に対し、自動車の運転以上にすばやい応答が必要だからです。

私たちには、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、そして触覚を通して多くの身の回りの情報、環境 からの情報が常にもたらされています。とくに、これまでお話ししてきたように、皮膚から もたらされる情報は、従来の触覚情報だけでなく、音や光のようなものまで含めると、膨大 な量になっているでしょう。しかしながら、リベット博士の研究が示すように「意識」を作 るのには0.5秒という時間がかかるのです。そのため、皮膚感覚がもたらす膨大な情報の中で意識になるものは、非常に少ないのです。

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ジンメルマン博士のデータでは視覚情報が触覚情報より多いことになっています。

参考データ

●視覚=受容器(センサー)2億個、全通信容量は毎秒1000万ビット、意識的に知覚出来るのは毎秒40ビット

●触覚=受容器(センサー)1000万個、全通信容量は毎秒100万ビット、意識的に知覚出来るのは毎秒わずか5ビット

視覚と触覚では情報量の桁が違いますね。。

しかし今まで言われている皮膚感覚というのは触覚だけで、ほかの情報は感知出来ないものとして捉えらえています。

メカニズムは不明ですが、「皮膚の不思議」でお伝えしてきたように皮膚には環境からの情報として、可視光、音波、電場、気圧も表皮が受容している可能性があります。

なので触覚情報には意識に上らない情報を含めると、意識になる情報の数千万倍以上の情報があるようです。

つまり触覚情報は数千万分の1程度しか「知覚」されておらずそれ以外は無意識情報になっているのです。

よく分からないけど何かを感じる?

よく気配を感じるとか、殺気を感じる、この部屋はいやな感じがする、ここの空間は気持ちいい等ご経験あるかと思いますが、それは具体的に何を感じて察知しているのでしょうか?

よく分からないけど見えないけど何かを感じる、実は皮膚で何かの情報を感じ取っているのかも知れませんね。

人間の判断や行動は90%以上が無意識的に行われているということが明らかになってきております。

無意識が人間の行動を左右しているなら、皮膚からの情報は人間の行動、思考等に莫大な影響を及ぼしていると推定できますね。

さらに研究が進めばより目に見える形で皮膚感覚が人間の身体や心に作用する仕組みが明確になるかもしれないですね~

「皮膚の不思議」ちょっと専門的な内容になってしまいましたが、皆様の考察にお役立て頂ければこれ幸いです。

次回もまたちょっとマニアックな内容になるかもしれません、お楽しみに

長谷川でした!

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リキュア長谷川

参考文献:驚きの皮膚・著:傳田光洋

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