リキュア銀座院の長谷川でございます。
先日、六本木の出雲大社の東京分祠に遅い初詣に行きました。
いつもは大吉、小吉等ではなく番号で占うおみくじを引くのですが
「金みくじ」なるものがありましたので初めて引きました。
そうしたところ、近年まれに見るかなり良いくじが出て、新年早々縁起が良いとほくそえんでいる長谷川です。

さて皮膚の不思議、1回目では皮膚にも「知能」がある事をお伝えしましたが、2回目は
皮膚は何を感じているかについて、我々の想像以上の感覚機能があるという事をお伝えしていきます。
「感覚」と「知覚」について
皮膚で感じる触覚というと何を思い浮かべるでしょうか?
温度、圧力、化学刺激、痛み等を多くの方は思い浮かばれると思います。
この感覚は各刺激に対して分布しているセンサーが反応して、電気信号に変換し感覚神経を介して脳に情報信号が伝わり、熱い、冷たいといった事を意識、「知覚」する仕組みとなっております。
脳がない生物、ゾウリムシやクラゲ、ウニ等は「感覚」機能はもっていますが「知覚」機能は持っておりません。
脳がないので「知覚」が出来ないのです。
感覚機能は作動しているが、意識していないものも「知覚」していない事になります。
皮膚にも聴覚?!
実は皮膚にはこれらの触覚以外に「聴覚」や「視覚」もあるという事が研究で明らかになってきております。
人間の聴覚は耳によるものだという事になっておりますが、実は皮膚も聴いているのです。
民族音楽の研究者で、音楽集団「芸能山城組」を主催している大橋力博士の研究で
インドネシアの民族音楽ガムランの演奏時、演者がトランス状態になるのは耳には聞こえない音波の影響であることを発見しました。
ライブ演奏ではトランス状態になっても、CD録音された演奏ではトランス状態にならないのです。
通常のCDでは音は周波数2万Hzまでしか録音されません。
しかしガムランのライブ音源を解析すると実に10万Hz以上の音まで含まれていたのです。
そしてそのライブ音源にさらされると、脳波や血中ホルモン量にも変化が見られたのです。
さらに被験者の首から下を音を通さない物質で覆い、再びガムランのライブ音源の効果を調べたところ、驚くことに生理状態に及ぼす影響が消えてしまったのです。
これらの結果から大橋博士らは高周波数が耳ではなく体表で受容されているという仮説を抱くに至りました。
ガムランではジェゴグ(竹製の大きな木琴)や鐘やドラム等を使い独特の旋律で演奏するのですが、
私、長谷川も芸能山城組のイベントに毎年行っており、やはりCDやブルーレイメディアをスピーカーで聴く音と、実際の会場で生で聴くのとでは全く違い、耳というより体で聴くといった体感を味合わせてもらってます。
また筆者の傳田光洋は皮膚の研究家ですので高周波音は表皮機能にも作用するのではないかと、破壊した皮膚バリア機能の回復速度への音の影響を調べたところ、可聴音である5000Hzの音はバリア機能の回復に影響を及ぼしませんでしたが、それより高い1万~3万Hzの音の照射は、バリア機能を促進する結果に。
この結果から、高周波音が表皮において何らかの生理的変化を起こし、それがさらにホルモンレベルや脳波に作用している可能性が考えられます。
皮膚も視ている
また視覚についても皮膚にあるという事が明らかになってます。
普段私たちが眼で見ている可視光というのは全ての波長の電磁波の中の一部(400~700ナノメートル)だけです。
眼で光や色を感知しているのは眼球の奥にある網膜という部分で光を受けて応答するタンパク質のセンサー(光受容体)があるからです。
人間の目に紫外線や赤外線は見えないのは400~700ナノメートル以外の波長には光受容体が応答しないからです。(※400ナノメートルより短い波長は紫外線、700ナノメートルより長い波長は赤外線)
ちなみに蝶は紫外線を感じることができます。蛇は赤外線を感じる事ができます。
それぞれ人間にはない光受容体をもっているので可視光になるのです。
しかし皮膚は紫外線を浴びると日焼けし、赤外線も「温かい」感覚として感じられます。
だったらその間の可視光(400~700ナノメートル)も皮膚に影響するのではないでしょうか?
そうでないなら皮膚には網膜とちょうど正反対の感覚機構、つまり400~700ナノメートルの波長だけ感じないシステムが存在することになります。これはちょっと不可解ですよね。
そこで筆者は皮膚の角層バリア機能を破壊後、可視光の赤い光、青い光、緑の光、全ての色を含む白い光を皮膚に照射して、バリア機能の回復速度を調べたところ
赤い光が回復が早く、青い光は回復を遅らせ白や緑の光は影響を及ぼしませんでした。
その際の表皮を電子顕微鏡で観察したところ、細胞間脂質の分泌が赤い光で促進され青い光で抑制されていることが確認できました。
つまり表皮を形成する細胞が赤い光と青い光に対して細胞レベルで異なる応答をしたという事です。
また皮膚に光を感じる機構があるのではないか、という指摘は臨床医学の場でも報告があります。
時差ボケの治療に強い光を照射する方法がありますが、実は視覚障害者の方にも効果がありメラトニンという睡眠のリズムを決めるホルモンに作用するのです。
メラトニンの分泌に作用する光受容細胞は松果体と呼ばれる脳の奥にある組織にありますので、そこまで光が届くというのは普通に考えてありえませんが、何故作用するのかは色々な説があり、はっきりとは分かっておりませんが、もしかしたら皮膚で感知する作用が働いているのかもしれません。
このように皮膚には我々が思っている以上の感覚が備わっており、それが私たちの気づかないレベルでも人体に作用している事がお分かりかと思います。
皮膚って不思議ですね~!
皮膚の機能は実はまだまだあります。次回はさらに深堀って行きたいと思います。ではまた!
参考文献:驚きの皮膚・著:傳田光洋
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